第14回 犬猫にミネラルウォーターは良くないのか??

前回の尿石結石の要因の続きをお話いたします。

尿成分の異常要因

いわゆる尿のpHです。

尿のpHがアルカリ性もしくは酸性のどちらに傾いても結石はできやすくなります。結石にも種類があり、pHがアルカリ性だとストルバイトやリン酸カルシウムなど、酸性に傾くと尿酸アンモニウムやシスチンといった結石になりやすいことがわかっています。ただ、尿中のpHだけが関与している訳ではないので、シュウ酸カルシウムなどはどの状態でもできてしまいます。

ちなみに、犬の理想的な尿pHは6~7です。

遺伝的要因

尿酸アンモニウム:ダルメシアン、ヨークシャテリア

シュウ酸カルシウム:ミニチュア・シュナウザー

シスチン結石:イングリッシュ・ブルドッグ、ミニチュア・ダックスフンド、バセット・ハウンド

が挙げられ、先天的な代謝異常などが示唆されている。

疾患の影響

門脈体循環シャントや肝不全、尿路感染症、腎機能不全、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)などからも結石が作られやすいことがわかっている。

その他

解剖学的な異常や性ホルモンなどが関与している。

上記からも、結石の要因は一つではないことがわかります。

犬にとって尿石症は非常に多い病気の一つ。

未然に防ぐためには、飲水量や食事の適正化は最も重要といえるでしょう。

次回は、尿石症の診断と治療をお話しします。