第10回 水分摂取量が少なくなり致命的な状況になる「尿崩症」とは…

分類として、脳にある下垂体の分泌障害による中枢性と、腎臓の受容体反応低下による腎性に大別されます。

中枢性では先天的な異常は稀であり、後天的な下垂体腫瘍や外傷による尿崩症が報告されています。

腎性では家族性は稀であり、腎疾患により起こる続発性尿崩症がほとんどと言われています。

診断には多尿を症状とする病気を除外することが大事となり、他に尿比重が1.015以下もしくはさらに低い場合は強く疑われます。

さらなる検査としては水制限試験やCT、MRI検査などが進められます。

治療としては、まず大事なことは水を絶やさないことであり、飲みたい量をしっかりと飲ませることが重要です。

水の摂取が少ないと神経症状などが発現する可能性もあり、危険です。

症状として、多尿が問題になる場合は中枢性ではデスモプレシン点眼薬を使用します。

これは脳から分泌される尿を減らすための抗利尿ホルモンの不足が原因のため補うための治療法です。

犬の場合は点眼ではなく、鼻に液体を入れる点鼻により管理を行います。

腎性ではサイアザイド系利尿薬により遠位尿細管からナトリウムやクロールの再吸収制限をすることにより、近位尿細管での再吸収を促し浸透圧により尿量を減らす方法をとります。

このように、聞きなれない疾患も多尿には存在し、知らぬ間に水分摂取量が少なくなり致命的な状況になることもあるので注意が必要です。