第9回 犬にはよくあるクッシング症候群

別名:副腎皮質機能亢進症とも言います

副腎皮質とは、腎臓のすぐそばに存在し生きていく上では欠かせないホルモンを分泌しています。

しかし、このホルモンは過剰に出すぎることで、様々な病態を引き起こします。

原因としてはホルモンを出せと指令している脳下垂体の腫瘍や、副腎皮質の腫瘍、さらにはステロイドホルモンの過剰投与による医原性クッシングなどです。

このうち医原性クッシングを除いての割合は、8割が脳下垂体、2割が副腎が原因と言われています。

症状としては、お腹が膨らんできたり、よく食べる、脱毛などがみられます。

問題なのは、このホルモンが出続けることで症状はもちろんのこと、二次的に糖尿病、膵炎、感染症、血栓塞栓症、腎不全、胆泥貯留など様々な弊害が起こることがわかっています。

検査においては血液検査によりだいたいの判断を行います。その後、超音波検査やCT、MRI検査を行い治療方針を定めます。

治療としては、原因にもよりますが、出すぎるホルモンを制御するか外科的に切除します。

疾患の問題は、やはり併発疾患が多いこと、必ず一生涯治療が必要になる可能性などが挙げられ、飼い主さんの負担が大きいと言えます。

怠ると命に直結する怖い病気ばかりなので、しっかりと診断し治療することをお勧めします。