第1回 秋の熱中症
秋といえば、日本では9月、10月、11月ですが、こんなデータが存在します。
アニコム損害保険によれば2015年度、熱中症で保険請求が来た件数を求めたところ1年の中で9月は260件で8月の312件に次いで2番目。10月は6、7月よりは少ないものの50件で5番目、11月は18件で6番目でした。
驚くのは10月ましてや11月の涼しい時期でも熱中症が起きている事実です。また、2月と3月以外は全ての月で熱中症が発生している事実も存在します。
原因としては、やはり熱中症への意識が薄くなる時期でもあり、また日によって気候が安定しない最近の天候にも問題があると思われます。
では、熱中症を知っていただくために簡単にご説明します。
熱中症は高温多湿の環境で、意識が朦朧とし、最悪死に至ってしまう怖い病気です。
直射日光が原因の日射病、高温多湿の熱射病。これらををまとめて熱中症と言います。
通常人では、温熱環境では皮膚血管が拡張、発汗、そして呼気促進され熱を外に出します。犬では、この発汗がほとんどないため熱の調節はほぼ全てが呼吸を早くすること(パンティング呼吸)に頼っているということになります。
さらに舌を出し、唾液を蒸発させて熱を下げる方法も利用しています。
では、熱中症になりやすい要因をまとめておきましょう。
- 短頭種犬、短足犬
- 肥満犬
- 心臓もしくは呼吸器疾患がある犬
- 脱水している犬
- 毛が二重で寒い地域原産の犬
- 高齢犬
- 幼犬
- 興奮しやすい犬
などです。
そして大事なことは、予防です。
- 当たり前ではありますが、気温が高い時は散歩にはいかない
- 室温を人の体感温度で涼しいと感じる適温に設定する
- こまめに水分を取らせることです
今回は秋の熱中症ということですが、実は室内で約70%の熱中症が起きているというデータがあります。
留守の最中に秋だからといって、エアコンを付けずに出かるのは危険であり、なるべくは犬のみでのお留守番をさせないように気をつけていただきたいです。
最後に、ペットを守れるのは飼い主だけであり、十分な管理をお願いしたいです。